生産性の低い日本の労働社会 原因は『スピード感の無さ』にあった

生産性の低い日本の労働社会 原因は『スピード感の無さ』にあった

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以前、『神・時間術』という本を読みましたが、時間を有効利用するにはスタート直後のスピード、ペース配分をしっかりとコントロールすることが大切なんですね。

本の中で日本人の働き方とアメリカ人の働き方を実際に見た著者が、その克明な差を語っておられました。

また、実際に私がこれまでに働いてきた経験や、周囲の人から聞いた体験談の中には、それ以外にも「日本社会のここがダメだな」と思うとこが多々あります。

今回は日本の労働社会に生産性がない具体的な理由は何なのか、いくつか気づいたことがありますので、箇条書き形式で解説していきます。

自分は典型的な日本人タイプと真逆のタイプなので、どちらかと言うと欧米のほうが共感できることが多く、特にそれを敏感に感じるのだと思います。

こんな事を言うと和を重んじる日本人からは、「じゃあ外国へ移住すれば?」と言われてしまうかもしれませんね。ですが移住の予定はいまのところありません。

無駄なミーティング(会議)

ミーティングの回数が多い、そして長い会社ってありますよね?私が以前働いていた会社もそうでした。通常業務終了後に、全体ミーティング、社員ミーティング、週1ミーティング、ウソみたいにミーティングばかりしていました。

自分はできる限りバックレたかったので、「参加できる人は参加して」と言われていたら帰ってました。多分この時点で日本人の多くはおれに不信感を覚えるかもしれません。

「なんでこんなにミーティングやるの?もうミーティング大好きじゃん」と周囲によく言っていました。全然必要のないスタッフまで参加させられて、ホントに馬鹿げてるな、と。

おれに言わせると、あのミーティングはもはや仕事じゃないんですよ。

また友人の勤める会社に至っては、毎週社長が率先でミーティングを行っており、午前中をまるまるつぶして「ああだこうだ。こうじゃないああじゃない」としゃべりまくるそうです。

顧客相手の受注生産をしている会社なので、その間社員たちは「今の仕事、いついつまでに終わらせて次に取りかからなきゃいけないんだよな…」なんて考えているそうです。

以前も話した通り、大抵の人は「朝は寝ぼけているから脳が回転しない」と勘違いしていて、その実、一日で一番集中力を発揮できるのが朝から午前中なんです。そして午後はどんどん下がっていきます。

その会社では朝の黄金時間を社長の話を聞くことに費やしているわけです。そして仕事が押して就業時間が終わっても残業しているんだそうです。すると帰りが遅くなり次の日に疲れが残り、朝の黄金時間も作り出せなくなるという負のスパイラル

アメリカ人が決定的に違うところは、彼らは朝一で重要な仕事を済ませて、夜は必ず家族とディナーをするようにしていることだと言います。

仕事がとどこおって就業時間が終わっても帰れなくなるようなミーティングは、アメリカ人の社員だったら受け入れないでしょうね。

はい、ではこんなにもミーティングの時間が多い会社はなぜそうなのか?

私のいた会社に関して言えば『新しい会社だったから』というのがまず考えられます。まだ会社の方向性や業務上の細かいオペレーションが決まっていなかったということですね。

でもそれだけじゃないんですよ。もっと大きな原因は『決められる人がいなかった』ということ。それは『決定権』の話じゃないです。小さな会社でしたし、ある程度現場を一任された人がいたので決定権は持っていたはずです。

そうではなく、問題は『決定力』なんです。

決める力がないから、「どうする?」「おまえらはどう思う?」みたいなことを延々とやるわけです。もし上に決定力のある人間がいたら、上の役職にいるメンバーだけで「こういう風にすることに決まったから」と周知すればいいだけの話ですし、そのほうが長々と無駄に時間を費やさなくて済むんですよね。

そう言うと今度は、「上の人間だけで決定して、下の人間の不利益になったり、オペレーションに不具合が発生したらどうするの?」というような意見を持つ人もいると思います。

だから、それでダメなら違う方法をとればいいだけじゃない?

エジソンの言葉を知ってますか?「私に失敗の経験はない。この方法では上手くいかないという発見】に成功しているのだ」というもの。

日本人は失敗を極端に恐れます。「ほらね!だから~」みたいなのや、『たられば論』も好きですよね。だから「石橋を叩いて渡る」どころか、叩くかどうかそこからミーティングして決めているんです。

もし練りに練って、実際にやってみたらダメだったらまた一からミーティングのし直しをするんでしょうか?まぁ、しているんでしょうね。

これが日本の労働社会のスピード感の無さの一例ということになります。

余談ですが、上述した友達の勤める会社は、現在資金繰りに困窮していて、ぶっちゃけた話「いつ潰れてもおかしくない」と話していました。焦りがあるとまたミーティングの時間が長くなる。これが企業の負のスパイラルですね。

採用活動の遅さ

新卒採用はまだいいです。入社日までに決めればいいだけなので。問題は中途採用やアルバイト募集なんかで顕著に表れます。

応募してきた求職者に対して、「では来週面接致します。○曜日か○曜日、○時から、もしくは○時からでいかがでしょうか?」いや、ここまではまだいいです。

面接が終わったら終わったで、「応募人数が思いのほか多く~、来週の○曜日までに連絡します。」「採用の場合、締め日を過ぎた来月の何日から出勤していただく予定です。」

こういう時思います。「ん??人が足りてないから募集してるのだろうと思ったけど、足りてるの?」

ある程度応募が来た時点で募集を閉め切ればいいのに、ダラダラと何週間もかけて面接をしていくのはどうなのでしょう。私なら「応募多数で締め切りました」と言われたら、それはそれでしょうがないと思います。

全員会う必要なんてないんですよ。よっぽどおかしい人でなければとりあえず働かせてみて、判断するのが一番わかりやすいんです。

その仕事がその人にできるかできないかなんて、やってみなければわからないんですよね。その人が合っているか、続けられるか、辞めてしまうかなんて。面接の時の印象だけじゃわからないものです。

散々検討して検討して翌月から働き始めた人が1週間で「合わないんで辞めます」となった場合、それまでの時間のすべてが無駄無駄無駄です。

社長さんなんかだとやはり一線を画すというか、スピード感がある人も多いです。「いつから来れる?」「来れるようだったらすぐ来て」と。一度あったんですが、「合わなくて辞めちゃう人も多いから、一度試しで働いてみてダメだったら辞めてもいいよ」と言っていた社長さんもいました。

この社長さんは非常に合理的な方だと思いますね。事前に悪いケースを予測しておくということが常にできています。

それ以外の人事担当者とか、現場責任者クラスだと自分で決められないんですよね。その人しか面接していないのに、上の意向を伺うのか?それこそミーティングでもして決めてるのかな?と思ってしまいます。

求職者も別に金持ちが道楽でバイト探してるならまだしも、そういうケースは珍しいはずですから、なるべく早く採用を決めてもらって働き始めたいと思うんですよね?現在勤務中ならまた調整すればいいだけです。企業側はすぐ来てくれる人がほしいのに、「2ヶ月後からじゃなきゃ働けない」となれば採用を見送るといった検討もできます。

企業も「いついつまでは人が足りている」という場合もあるでしょうから、これだけならまったく理解できないというわけではありません。しかし、その場合辞めてから新しい人を入れるという、引継ぎ無しの状態になるわけです。

悪いケースを想定せずに、「新しく入る人も続けるもの」と勝手に思いこんでいるのです。業務の滞りが起こりやすいパターンですね。

そして、そのほかにもよく思うのが、以前も書いたアルバイト・パートの「女性積極採用中」「女性・主婦が活躍しています!」

女性用品売り場とかなら別ですが、明らかに性別関係ない仕事なんですよね。文房具屋のおじさんに「女しか雇わない」と言われたことがあります。なぜ男性がダメなんでしょう?

こういうのも「人が足りてないの?何が足りてないの?何が欲しいの?」と思います。

なんでか?という理由を考えた時、ネットでよく言われる『レッテル貼り』を思い出しました。日本人は決めつけるのが大好きなんですよ。人を何かに決めつけてからでないと話ができないのだと思います。最近もLGBTがどうので問題になりましたが、大体の人がレッテル貼りしていると思います。

「男はだからダメー」「何才以上はダメ―」「結婚していないやつはダメ―」「短い期間で転職してるからダメ―」

人間は生き物であってロボットではないので、上の条件がまったく同じ人でも、それぞれの職務でどんな活躍ができるかなんて、実際に見てみないとわからないはずです。会社もそうです。前勤めてた会社と、そこの会社は同じ会社ですか?違いますよね。

そこを履歴書やパーソナリティーなどを見てロボット的に判断してしまうところが悪習慣だと思います。

そもそも、そういうレッテルを貼り付けなきゃ人を見れない方たちって、結局人を見抜く眼力はないと思うんですよ。

これらが結局、恒常的に勤められる人材の確保の遅さを招き、結果的に事業のスピード感のなさにつながるのではないかと思います。

自分の応募を断ったところが、その後も求人をかけ続けているのを見ると、「やれやれだぜ」という気持ちになります。

やれやれ

《感》物事が一段落し、ほっと気がゆるんだり、思い通りにならずがっかりしたりした時に言う語。また、同情の気持を表す語。

基本的に事後処理

そのほか日本社会のスピード感の遅さを感じるところは、基本的に対応が後手後手に回っているところです。

一般企業以外でも、例えば市民からストーカー相談を受けた警察の対応とか、児童相談所の児童虐待家庭への対応など。大体手遅れになってから事後処理とでもいうような形で記者会見などの対処をしているのがニュースなどで流れています。

本来は、事が起きる前に対処しなければならないんですね。事が起きてからの対応はその10倍も大変です。スピード感の無さは結果的に莫大な時間・信用の損失を招きます。

それというのも今まで書いてきたことの繰り返しになりますが、決定力がないことが原因として挙げられると思います。そもそもその問題を上に提言することすら足踏みしているのではないでしょうか。「めんどうごとを上に持ち込みたくない」のように。

しかしそれが結果的に組織全体に大きな損害を与え、信頼性の瓦解を招くことになります。

ドラマの『ブラックペアン』で「ルールは必要なら変えればいい」ってセリフがありましたが、そういう考え方は多くの日本人にはない気がします。

同じような思いや不満を抱いていたはずなのに、一度ドラマの中みたいに組織の中の既存のルールを逸脱する者がいれば、「うわ、あいつやりやがったよ ありえねえ!」と後ろ指差されて批判されてしまいがちです。

あと身近なところでこれを感じるのが企業のカスタマーセンター・コールセンターです。多分大体派遣を使っているのでしょうが、ほとんどが『電話受け係』としてしか機能を果たしていないのが現状です。

少し突っ込んだ質問をすると、すぐに保留にしてしまい責任者に変わったり、相談している印象です。しかしこれではユーザー側の時間消費はもちろんのこと企業全体の人件費としての業務コスパが、著しく低水準になるのではないかとおもいます。

コールセンターの派遣などは時給1,500円とかザラですよね。それだけ払う価値があるのかと疑問に感じます。あれでは責任者の社員は激務だと思いますよ。会社側は激務を耐え忍ぶ社員に甘えて支えられているわけですね。

毎日毎日延々とコールセンター要因のフォローを繰り返すよりも、自社の社員としてしっかりと業務研修をして自社サービスの知識を学ばせたスタッフをセンター業務に当たらせるべきなのではないかと思います。

経営者と労働者の意識の差

前項の『採用活動の遅さ』でも触れましたが、これらには経営者と労働者の意識の違いがあると思います。

日本人は先進国の中でも労働者側の占める割合の大きい国です。学生は何処かに就職するのが当たり前。そのために学歴築いて、その枠組みの中で優劣を競っています。

いい会社に就職出来たら勝ち組。できなければ負け組。

別にどちらでも。おれの中では真の勝ち組と言えるのは、そのいい会社を築いた経営者だけです。なんなら、外国人が日本で起業して日本人が雇われているケースも相当増えていますよね。

なぜなのか考えると、一人では決められない、決めてもらう側が楽でいいという人が日本には多いと言えるのではないかと思います。終身雇用制度とか言いますが、別に強制ではないわけですし、一つの会社に一貫してずっと務めるなどというのは人生の1つの形でしかありません。その人にはそこしかないからそこにいるわけです。

「自分の裁量で決めたい 会社を興したい そのために経験を積んでいつか独立する」と考えて働いている人は一体どれだけいるんでしょうか?そういう人は割と決定力やスピード感を持っているのではないかと思います。逆に言えばそういう人は組織の中でもどかしさや不自由さを感じてしまうはずです。

おれと気が合う人はルールに縛られず決定力がある人も多いんですが、それ以外の世の中の人の大半は話を合わせてくるような人が多いですね。

けっこう前に、なんのCMか忘れたんですが、会議室の中で「どうしますか、課長!」→「どうしますか、部長!」→「どうしますか、専務!」→「社長!」→「会長!」みたいなCMがあったのを覚えている人もいると思います。

あれです、あれ。方針の決定が鈍重な日本企業の姿を端的に表した秀逸なCMですね。

まとめ

割と長くなってしまいました。「日本社会の生産性が低い理由の一端はスピード感がないことにあった!」というのが私の見解です。

結局はやってみりゃわかるし、やってみなきゃわからない。そういうことなんです。やるかやらないか日和って、ニッチもサッチもいかなくなってから動くんじゃ遅いんですね。

和を重んじるってのもいいことだと思いますけど、それは時と場合によりけりですね。100m走でみんなで毎回毎回手つないでゴールしてる学校では足の速い子供も育たないでしょう?

高度成長期はそれでいけてたんですが、日本経済は頭打ちになって先細りです。これからの若者には特に先頭に立ってハイペースで集団引っ張っていく人がたくさん現れてほしいですねよね。

いまのところ、そういうマインド持った人が増えるどころかどんどん減っている気がするので。

それでは、今回はこんなところで!ご覧いただきありがとうございます。

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